平成!ドラえもん男(おとこ)

ドラえもんが生きがいの男がドラえもんに関する様々なことを書いていきます。

アニメ「ドラえもん」ゴールデン限界説

ドラえもんと言えば「金曜夜7時」。

恐らく、どの世代の人に聞いても同じ答えが返ってくるのではないでしょうか。

 

この4月で放送開始から40周年を迎えた「ドラえもん」ですが、おなじみの「金曜夜7時」にその姿が見れなくなる日はそう遠くないかもしれません。

 

今回は、現在のアニメ「ドラえもん」及びアニメ作品全体を取り巻く環境から、「ドラえもん」の今後について考えていきたいと思います。

 

●アニメは視聴率がとれない

昨年2018年の8月、テレビ東京が木曜7時の「ポケモン」と次番組の「BORUTO」の日曜17時代への枠移動を発表したのは記憶に新しい。

テレ東 日曜夕に1時間アニメ枠新設 「BORUTO」「ポケモン」移行

https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2018/08/30/kiji/20180830s00041000216000c.html

BORUTO」は前番組の「NARUTO」を含めて2006年10月から約12年、「ポケモン」は1997年12月から約21年もの長期間同枠で放送をされ続けていました。

なのになぜ枠移動を余儀なくされたのか?

 

理由は明白。視聴率がとれないからです。

 

これらのアニメは同時間帯の他局の番組に比べるとどうしても視聴率で苦戦していました。私はテレビやスポンサー等のしくみには詳しくありませんが、テレビ局だってサービスで放映している訳ではないので、より視聴率が獲得できる番組を編成しようとするのは至極当然のことです。

 

そもそも、最近では「アニメ=深夜」というのが当たり前であり、視聴者もひいきの作品がゴールデンで放送されることを熱望する人は少ないのです。

 

さてここで、ドラえもんに話を戻しましょう。

ドラえもんだって例外ではありません。

テレビ朝日では現在金曜夜7時から「ドラえもん」、7時半から「クレヨンしんちゃん」を放送しており、ゴールデンに計1時間のアニメ枠を編成しています。

冒頭にテレ東のアニメ枠の時間移動の記事を持ってきたのは、いくら番組が長く続いていようがネームバリューがあろうが、視聴率で苦戦したり編成の邪魔になれば、ゴールデンの放送枠を取り上げられるということを皆様に知って欲しかったからです。

 

2019年放送分の視聴率を見てみると

1/18 8.0(8.3)

1/25 6.8(7.7)

2/8 8.7(8.9)

2/15 7.1(8.6)

2/22 8.1(8.2)

3/1 7.7(7.7)

3/8 7.6(8.2)

3/15 8.1(8.0)

4/5 6.9(6.8)

※()内はクレヨンしんちゃんの視聴率

最高8.7% 最低6.8% 平均7.6% となっています。

裏番組の「爆報!THE フライデー」や「NHKニュース7」がコンスタントに12%前後の視聴率をとっている現状をみると、少々分が悪いことが伺えます。

 

●ターゲットと流れ

テレビ朝日は他の曜日のゴールデン帯にはクイズ番組や健康番組を多く編成しています。これらの多くは40代以上をターゲットに製作されており、金曜夜の「ドラえもん」→「しんちゃん」→「Mステ」という、若い世代がターゲットの番組編成は異例であり、気が付けば他の曜日と比べると「浮いている」編成といえるわけです。

 

さらに「Mステ」の次に「ロンハー」を編成し、より多くの若い世代の視聴者を獲得しようとしていました。

これは若い視聴者がそのままテレビを見続けてくれることを期待したもので、いわば「流れ」を重視した編成でした。

しかし、この3月で「ロンハー」は深夜に移動になり、代わりに石原良純さん、長嶋一茂さん、高嶋ちさ子さんによる「ザワつく!金曜日」がスタートします。

この番組のターゲットはどう考えても「ドラえもん」~「Mステ」のとは違います。

早い話が若い世代をターゲットにすることを捨てたのです。若い視聴者の「流れ」を捨て、より手軽に視聴率がとれる「毒舌おしゃべり番組」を編成したのです。

 

ドラえもん」ファンからすると、これはじわじわと首を絞められているとしか思えません。

もしも「ザワつく!」が「ロンハー」よりも視聴率をとったならば、「やはり若い世代よりも、上の世代をターゲットにした番組の方が視聴率がとれる」という考えに行き着きかねません。そもそも他の曜日で同じような番組が良い視聴率を獲得している以上、「常敗」状態であった金曜夜の編成にようやくメスが入ったと捉えるのが妥当でしょう。

 

ターゲットが比較的近い「Mステ」がそういった番組に取って代わられたとき、いよいよ19時代のアニメ枠も侵食される可能性も高くなってくるわけです。

 

●30分番組の弱さ

また、「ドラえもん」及び「しんちゃん」は30分番組。これも随分と異例です。

現在、民放のゴールデンでの30分番組はこの2番組のみになってしまいました。

何が言いたいのかというと、「ドラえもん」か「しんちゃん」のどちらかが終了、または枠移動になった場合、片方の番組だけが現在の枠で存続するのは難しいということです。

1時間、2時間の放送時間が当たり前の現在のテレビにおいて、今さら新規に30分番組を製作するとは考えにくいです。

この2番組は一蓮托生。もし枠移動するなら一緒に移動することでしょう。

 

●4月のスペシャルが消滅

ここ数年4月には、「しんちゃん」の映画公開に合わせて「ドラえもん」と「しんちゃん」との合同スペシャルが19時から3時間放送されていました。

そこで「しんちゃん」は前年の映画を放送していたのです。

しかし、今年はそのスペシャルを放送する予定は今のところ発表されていません。

代わりに「しんちゃん」の映画は4月14日と21日の日曜午前10時からの枠で放送されることが発表されました。

それだけでなく、日曜午前9時から放送中の「仮面ライダージオウ」と「騎士竜戦隊リュウソウジャー」とのプレゼント企画も発表されたのです。

 つまり、ここにきて「流れ」を重視しているのです。

私は、現在の金曜夜のアニメ枠が日曜の朝に移動した場合の実験、予行演習のように感じてしまいます。

今年は「しんちゃん」のみですが、もし来年以降「ドラえもん」の映画も日曜朝の枠で放送されるようなら、枠移動も現実味を帯びてくると思います。

 

●でもメリットもある

 ここまでダラダラと書いてきましたが、枠移動することで得られるメリットも存在します。

それは「放送回数が増える」ことです。

ご存知の方も多いと思いますが、「ドラえもん」は非常に休止が多いです。

「Mステ」や「ロンハー」のスペシャルなどの改変期の特番、スケートやサッカー、野球などのスポーツ中継を頻繁に編成されるからです。

 

昨年度の金曜19時の「ドラえもん」の放送回数は40回。それに対して日曜朝の「仮面ライダービルド」と後番組の「仮面ライダージオウ」の放送回数は49回。

 

このように日曜朝の枠は休止が少ないです。

もしも日曜朝に移動した場合、年末年始でもない限り放送が潰れることはありません。

 

ドラえもんの新作が毎週安定して視聴できるのは、ファンとしては非常にありがたいことだと思います。

 

●でもやっぱり「金曜夜7時」!

そうなんです!やっぱり「ドラえもん」といえば「金曜夜7時」なんです!

さほど興味がない人からすると「番組が終わらないならそれでいいじゃん」と思うかもしれませんが、「金曜夜7時」に放送してこそ「ドラえもん」なんです。正確には「金曜夜7時」は「ドラえもん」にしか任せられないんです。

 

メインターゲットである子供たちにとって金曜日というのは、5日間の学校生活が終わったという解放感に浸れる日。また、これから迎える週末に思いをはせる日でもあるのです。

つまり特別な日。

ドラえもん」はそんな特別な日のオープニングを飾るともいえる作品であり、見ている人にワクワクを与え、週末をさらに素敵なものにしてくれるのです。

 

こんな思い出、皆さんにはありませんか?

その思い出を担えるのは、やはり「ドラえもん」しか考えられません。

 

●終わりに

もしも「ドラえもんが枠移動する」と聞いたら、ほとんどの人がその事実を惜しみ、悲しみの声をあげるのではないでしょうか?

 

仮にそうだと思うのなら、ぜひ金曜夜7時にテレビ朝日にチャンネルを合わせて「ドラえもん」を観てみてください。

そこには画面狭しと動き回るドラえもん達のイキイキとした姿があります。それは今も昔も変わりません。

毎週観ている人も、しばらくぶりで観る人も、きっと観る人全員が元気を貰えるはずです。

 

 

 

記事を読んで気を悪くされた方がいたなら非常に申し訳ありません。

ただ、私は「ドラえもん」が大好きです。作品を批判しようと思ってこの記事を書いたわけではありません。一人でも多くの方に現在の「ドラえもん」やアニメを取り巻く環境を知って欲しかったからです。

 

私は、少しでも多くの人が「ドラえもん」に触れてくれることを願っています。

毎週金曜の夜に「ドラえもん」が放送されているのは、もはや当たり前ではありません。

我々の思い出を、未来の子供達にも受け継いでいきましょう。

 

 

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